概要

2020年に設立されたえひめベンチャー支援機構は、愛媛大学と民間の企業とが協力して運営をしている一般社団法人です。支援対象は、えひめ学生起業塾の塾生と愛媛県下の教員。起業はもちろん、研究シーズの事業化にも広く支援できる体制を整え始めています。

代表者インタビュー

一般社団法人えひめベンチャー支援機構
代表理事

野村 信福Shifuku Nomura

愛媛から教育を通じてスタートアップを輩出していく

一般社団法人愛媛ベンチャー支援機構が設立された経緯を教えてください

2020年6月にえひめ学生起業塾を支援するという目的で、一般社団法人えひめベンチャー支援機構(以下:ベンチャー支援機構)は設立されました。設立からこれまでの4年間は、学生や大学教員のニーズをヒアリングして試行錯誤しながら運営してきましたが、今ようやく全ての環境が整ったように感じています。私たちの強みは、国立大学発の団体でありながらも民間企業とも協力関係にあることで、あらゆる面で柔軟に動けるところですね。

どのような支援が受けられますか。

事業構想期の壁打ちから、ビジネスプラン策定支援など様々です。一番大切なのはマッチングの支援だと考えています。支援対象者が何に困っているのかを多面的に分析し、必要な相手と繋ぎます。例えば、「ソーシャルビジネスのプランは中小企業診断士の先生に壁打ちしてもらおう」といった具合に愛媛県内の様々な機関とマッチングさせることが可能です。

 

これまでの活動を教えてください

私たちが支援しているえひめ学生起業塾から4名の学生(※)が起業をしました。特に2023年は、愛媛大学初の正課授業として「アントレプレナーシップ入門」の開講やビジネスコンテストである「ビジフェスEHIME2023」の実施など、えひめ学生起業塾として大きな動きがたくさんあった年でした。しかし、まだまだ学生・教員の起業において支援ができると思っています。

どのような想いやモチベーションで支援を行っていますか?

「世界にインパクトを与えるようなスタートアップを育てたい」という気持ちで支援しています。そういった想いがある一方で、地域課題や社会課題を解決したいといった志を持った学生や教員も支援していきたいですし、大学の研究シーズもどんどん外に出していきたいです。

大学には、教育、研究、社会貢献と大きく分けると3つの役割があります。この研究・社会貢献の部分に、社会実装が含まれており、大学は新しい産業や事業を作り地域を活性化していくことに努めなくてはなりません。経済的なことだけではなく、活性化させること自体が重要なので、そのためには行動を起こすことですね。

やはり、支援した人がちゃんと登記をして事業が始まった時は、支援者としては嬉しい気持ちになり、「次の支援も頑張ろう!」といったモチベーションになります。

今後の展望を教えてください

現在、私たちは愛媛県内の産官学金と連携し、愛媛県独自のエコシステム形成に向けて動き出しています。ベンチャー支援機構に協力していただいている民間の企業に対して、学生が長期的にインターンシップを経験できる仕組みを作りました。これは、早い段階でビジネスに触れることで、将来多くの学生が地域で新しい波を次々に起こしてくれることを期待してのことです。エコシステム形成においてはまだまだこれからですが、地方特有の魅力を発見し、起業に適した環境を整えることで、愛媛から世界に向かって活躍する起業家が誕生してほしいと思っています。